Gitってなんだろう?Gitの歴史と使うべき理由を徹底解説
エンジニアと話していると必ず出てくる単語がある。「Git」だ。 なんとなく聞いたことはあるけど、実際よくわかってない…という人も多いはず。 この記事ではそんな「Gitってなんだろう?」という疑問に、歴史から実用的な理由までガッツリ答えていく。
そもそもGitって何?
一言で言うと、ファイルの変更履歴を記録・管理するツールだ。
正式には「分散型バージョン管理システム(VCS)」と呼ばれる。 バージョン管理というのは、「いつ・誰が・何を変えたか」を記録しておくこと。
たとえばこんな経験はないだろうか?

report_final.docxreport_final2.docxreport_final_本当に最終版.docxreport_final_本当に最終版_修正後.docx
…ファイルが増えまくる例の現象だ。Gitを使えばこの地獄から解放される。 1つのファイルのまま、すべての変更履歴がきれいに保存される。
Gitの歴史|天才が10日で作り上げた話

Gitの誕生は 2005年4月7日。作ったのはLinuxの生みの親、リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds) だ。
誕生のきっかけ:ライセンス問題という危機
当時、Linuxカーネルの開発チームは「BitKeeper」というバージョン管理ツールを無償で使っていた。 しかし2005年、そのライセンスが突然終了。「タダで使わせてもらえなくなった」という話だ。
トーバルズは怒った。そして動いた。
「既存のツールはどれも気に入らなかった。だから自分で作った。」
たった10日間での開発
驚くことに、トーバルズはわずか10日間でGitの動作する最初のバージョンを完成させた。 2005年4月7日に初めてのコミット(変更の記録)が行われ、それがGitの誕生日となっている。
もっと驚くのはその後の話。
トーバルズは「Gitをずっと自分でメンテするつもりはなかった」と語っている。 本業はLinuxカーネルの開発だからだ。そこで、開発参加から約3ヶ月後に日本人エンジニアの濱野純(Junio C Hamano)氏へメンテナーを引き継いだ。 そして現在もなお、濱野氏がGitプロジェクトを率いている。日本人すごい。
20年後の今
2025年、GitはついにリリースからGit20周年を迎えた。 GitHubのリポジトリ数は数億を超え、世界中の開発者の標準ツールとなっている。 トーバルズ自身も「これほど長く使われるとは思っていなかった」と述べているほどだ。
Gitを使うべき5つの理由
歴史もわかったところで、「じゃあ自分が使う理由は?」という話をしよう。
1. いつでも過去に戻れる

コードを書いていて、突然「全部壊れた😇」という状況は誰もが経験する。 Gitがあれば、正常に動いていたあの瞬間に一瞬で戻れる。セーブデータのようなものだ。
git checkout <コミットID>
# あの日の正常なコードに瞬時に戻る魔法
2. ブランチで安全に実験できる

「新機能を試したいけど、本番コードを壊したくない」という時にブランチが使える。 ブランチとは、本流とは別に作れる作業専用のコピー空間のこと。
試して失敗してもOK。本流には影響しない。
main ──●──────────────●──→
\ /
feature ──●──●──●──●──/
3. チーム開発が劇的に楽になる

複数人でコードを触ると、上書き事故が起きやすい。 Gitは「誰がどこを変えたか」を全部記録するので、コンフリクト(衝突)をきちんと検知して教えてくれる。
4. 業界標準=就職・転職に直結する
現代のソフトウェア開発現場で、Gitを使っていない会社はほぼ存在しない。 エンジニアとして働くなら、Gitは英語力と同じくらい必須のスキルといっても過言ではない。
5. GitHubとの連携で世界とつながれる
GitはGitHubやGitLabといったプラットフォームと組み合わせることで真価を発揮する。 自分のコードを公開してポートフォリオにしたり、世界中のOSSプロジェクトに参加したりと、可能性が一気に広がる。
GitとGitHubは別物

ここで一つ重要な補足。よく混同されるが、GitとGitHubは別物だ。
| Git | GitHub | |
|---|---|---|
| 種類 | ソフトウェア(ツール) | Webサービス(プラットフォーム) |
| 役割 | バージョン管理そのもの | Gitリポジトリのホスティング・共有 |
| 開発者 | Linus Torvalds | Microsoft傘下のGitHub社 |
| 使う場所 | ローカル(自分のPC) | クラウド(インターネット上) |
例えるなら、Git = カメラ、GitHub = Instagram のような関係だ。 写真を撮る道具と、それをシェアするプラットフォームは別物でしょう?それと同じ。
まとめ:Gitは「コードの時間旅行」ツール

Gitはリーナス・トーバルズが2005年にたった10日で作り上げた、バージョン管理の革命児だ。 20年を経た今も世界標準のツールとして君臨し続けている。
- 過去に戻れる
- 安全に実験できる
- チーム開発がスムーズになる
- 業界標準スキルが身につく
「まだGit使ってない」という人は、今日から始めてみよう。 最初は難しく感じるかもしれないが、慣れるともうGitなしでは開発できない身体になるはずだ。
次回は実際のGitコマンドの使い方を解説する予定なのでお楽しみに。